「最近、体力が落ちた気がする…」「食事のバランスが崩れていないか心配」??そんな思いを抱える50代男性は少なくありません。
年齢を重ねるにつれ、基礎代謝が下がりやすくなる一方で、筋肉量の維持や生活習慣病の予防も重要に。
本記事では、厚生労働省の食事摂取基準をもとに、50代男性が1日に摂取すべきカロリーや栄養素の目安をわかりやすく解説します。
とくにデスクワーク中心の方と、立ち仕事や外回りの機会が多い方の差にも触れつつ、身長166cm・体重60kgのモデルケースを例に、具体的な数値をチェックしていきましょう。
50代男性が押さえておきたい「基礎代謝」の基本
年齢とともに下がる基礎代謝
基礎代謝とは、何もしなくても心臓や呼吸など体を維持するのに使われるエネルギー量のこと。
一般的に加齢とともに筋肉量が減少し、基礎代謝も下がりやすくなります。
50代になると「若い頃と同じ量を食べていても太りやすい…」と感じることが増えるのは、基礎代謝の低下が大きな要因です。
体重や筋肉量による個人差
基礎代謝は身長や体重、筋肉量などによって変わります。
体重や筋肉が多い人ほどエネルギー消費も多く、必要カロリーが増える傾向があります。
日本人の食事摂取基準に基づく1日のカロリー目安
以下は、厚生労働省の示す食事摂取基準などを参考にした、50代男性向けの「大まかな」カロリー目安です。
身長166cm、体重60kgの男性を想定し、体格や活動レベルで変わる幅を把握しましょう。
デスクワーク中心(低~中程度の身体活動レベル)
- 推定エネルギー必要量: 約2,100~2,200kcal/日
- 具体的には、1日の大半を座って行う作業(事務職など)がメインで、通勤や軽い家事程度の運動しか行わない場合の目安です。
- 体格が同じでも、デスクワーク中心の方が消費エネルギーが少ないため、摂取カロリーをやや控えめにする必要があります。
立ち仕事・外回りが多い(中~高程度の身体活動レベル)
- 推定エネルギー必要量: 約2,300~2,500kcal/日
- 1日の活動量が多く、外を歩いたり、立ちっぱなしになる時間が長い仕事の場合は、消費カロリーも高まります。
- ウォーキングや階段の上り下りなどの移動が増える分、エネルギー摂取をやや多めにしてもOK。ただし、摂りすぎは体重増加につながるため要注意です。
50代男性に必要な主な栄養素と摂取のポイント
タンパク質(筋肉量維持の要)
- 目安摂取量: 体重1kgあたり約1.0g~1.2g/日
- 体重60kgの男性なら、1日60~72g程度のタンパク質が望ましい。
- 具体例: 肉・魚・卵・大豆製品などでバランスよく摂取。鶏ささみ100gで約23g、納豆1パックで約7gのタンパク質が含まれています。
食物繊維(腸内環境を整える)
- 目安摂取量: 男性で1日21g以上が推奨
- 野菜・果物・海藻・きのこ・豆類などを食事に取り入れ、腸の働きをサポート。
- 便通の改善や生活習慣病の予防にも効果的とされ、50代以降の健康維持に欠かせない栄養素です。
ビタミン・ミネラル(細胞の働きを支える)
- ビタミンB1・B2・C、カルシウム、鉄分などは特に不足しがち。
- たとえばビタミンB群はエネルギー代謝をスムーズに行うための助けになるため、活力維持に重要です。
- カルシウムは骨粗しょう症予防の観点からも、1日700~800mgが望ましいとされています。
脂質は「質」に注目
- 飽和脂肪酸(動物性脂肪)の摂りすぎは生活習慣病リスクを高める恐れがあるため、オリーブオイルや青魚に含まれる不飽和脂肪酸を適度に摂る工夫を。
- 調理法を工夫して、揚げ物やバター・生クリームの過度な使用を控えると、トータルのカロリーを抑えやすいです。
具体的な食事例:1日のメニューイメージ
ここでは、デスクワーク中心(約2,100kcal/日)を基準としたシンプルな例を挙げます。
立ち仕事や外回りの場合は、このメニューをベースに一品か量を少し足すイメージで調整してください。
朝食(約400~450kcal)
- ご飯1膳(150g)
- 納豆1パック + 卵1個(納豆・卵はタンパク質源)
- 野菜サラダ(レタス・トマト・きゅうりなど)
- みそ汁(わかめや豆腐、きのこ等を具に)
昼食(約600~650kcal)
- 主食(麺類やご飯)+肉や魚のおかず
- 例:焼き魚定食(ご飯1膳・焼き魚・おひたし・みそ汁)
- フルーツ少量(ビタミン補給)
夕食(約700~750kcal)
- ご飯1膳(150g)
- 豚肉の生姜焼き(豚ロース100g前後、付け合わせキャベツ)
- 豆腐とわかめのみそ汁
- 野菜炒めか煮物(にんじん・玉ねぎ・きのこなど)
間食(約100~150kcal)
- おやつはヨーグルトやナッツ、果物がおすすめ。
- 甘いスナック菓子やジュースは控えめに。
運動と組み合わせて総合的に健康管理
- 軽いウォーキングや筋トレ: カロリー消費と筋肉維持のため、週2~3回の運動を習慣化。
- 睡眠とストレス管理: 食事と同じくらい大切。十分な休息がなければ、せっかくの栄養摂取や運動の効果が半減します。
まとめ:50代の食事は「バランスと量の調整」が鍵
- カロリー目安: デスクワーク中心なら2,100~2,200kcal、立ち仕事・外回りなら2,300~2,500kcal程度を目安に。
- 主要栄養素: タンパク質や食物繊維、ビタミン・ミネラルを意識して摂る。
- 調整方法: 活動量が少なければ量を控えめにし、多ければ少しプラスして体重変動をチェック。
- 食事+運動+休養: トータルで健康管理に取り組む。
50代になると、体が必要とするカロリーや栄養のバランスが変わってきます。
しかし、ポイントを押さえた食事と適度な運動、質の良い睡眠を意識すれば、体力維持も難しくありません。
まずは今日の食事から、タンパク質の量や野菜の種類を少し意識してみるところから始めてみてはいかがでしょうか。
自分の体が喜ぶ食生活を作り上げ、健康的で充実した日々を過ごしましょう。