円安と円高って、ちょっとややこしくなる時があります。
なので、円安と円高とはどういう状況なのかを説明してみます。
一旦、細かい事は置いていおいて「円安と円高」にだけ注目してみましょう。
円安(Weak Yen)とは
円安とは、日本円の価値が他の通貨に比べて低下し、他の通貨に対して弱くなる状態です。これは外国為替市場での日本円の価値が低いと見られることを指します。
【例】
1ドル=100円→1ドル=150円
上記のように、ドルに対して円の価値が下がるのが円安。
1ドルを100円で交換出来ていたのが、150円ださないと交換できなくなったということになります。
円安になる要因
1,金利差: 日本の金利が他国よりも低い場合、投資家は他国の通貨に資産を移すことが増え、円安傾向になります。
これは、銀行預金を考えてもらえるとわかりやすいかもです。
日本の銀行にお金を預けた場合「年0.1%(仮の金利です)」だった時、海外の銀行が「年2.0%」だったとしたら、あなたはどちらにお金を預けた方がいいと思いますか?
100万円を銀行に預けようとした場合だと。
日本の銀行だと「年に1000円」となりますが、海外の銀行の場合は「年に2万円」になります。
100万千円と102万円だったら、102万円の方がいいですよね。
なので、日本円にしているよりも海外の通貨に変えようと考えるので、円の価値が下がり「円安」になるということです。
2,経済の競争力: 日本の輸出企業が国際市場で競争力を持つと、外国からの需要が増え、円安になりやすいです。
外国で日本製品の価格が下がる傾向になりやすいので、外国での需要が増えます。
また、外国人観光客からすると日本の物価が安く感じるので、日本国内での購買力も高くなるでしょう。
円安の影響
1,輸出産業の活況: 輸出企業は円安になると、国外での製品価格が下がり、輸出が促進されます。
1ドル=100円が150円になった場合で考えてみます。
日本の会社からとある商品を海外に輸出していたとします。
そして、海外での販売価格を「1000ドル」だったとして。
これまでだと、1ドル=100円だったので、「10万円」の売り上げとなっていたのが、1ドル=150円と円安になった時は「15万円」の売り上げとなります。
円安の影響で「5万円」売り上げが増えたってことになります。
会社としては売り上げをあげたいので、どんどん海外に商品を輸出するでしょう。
2,輸入品価格の上昇: 外国からの商品や原材料の価格が上昇し、輸入業者や国内の消費者に影響を与えることがあります。
円安になってしまったので、これまで100円で仕入れ出来ていたものが、150円出さないと仕入れできなくなってしまいます。
こうなると、コストが上がってしまうので「商品の値上げ」などコストカットの必要が出て来ます。
円高(Strong Yen)とは
円高は円安とは逆に、日本円の価値が他の通貨に比べて上昇し、他の通貨に対して強くなる状態を指します。
【例】
1ドル=100円→1ドル=80円
上記のように、ドルに対して円の価値が上がるのが円高。
1ドルを100円で交換出来ていたのが、80円で交換できるようになったことになります。
円高になる要因
1,金利差: 他国の金利が低い場合、投資家は日本円に資産を移すことが増え、円高になりやすいです。
円高の場合も、円安の時と同じように日本の銀行が「年1.0%(仮の金利)」で、他国の銀行の金利が「年0.2%」だった場合と考えるとわかりやすいかと。
この場合は、円の価値が高くなる(円高)となるので、日本円に変えようとする人が増えます。
2,経済の不安定: 他国の経済が不安定な状態が続くと、安全資産と見なされる円の需要が増え、円高になりやすいです。
他国の金利が下がり、通貨の価値が下がってくると「より安全な通貨の円に変えよう」となり、円高傾向が強くなります。
円高の影響
1,輸出企業への影響: 輸出企業は円高で製品価格が上がり、競争力が低下する可能性があります。
円高になると、海外への輸出価格が下がる事になるので、売っても売り上げが上がる事はなく競争力が下がる可能性が出て来るという事ですね。
2,輸入品価格の低下: 外国からの商品や原材料が安くなり、輸入業者や国内の消費者が恩恵を受けることがあります。
円高になると、海外からの商品を輸入しやすくなるので、日本国内で海外製品を購入しやすくなります。
まとめ
円安は、円の価値が下がる状況の事をいいます。
1ドル=100円が150円になったら「円安になった」と。
円高は、円の価値が上がる状況の事をいいます。
1ドル=100円が80円になったら「円高になった」となります。
なので、「他の国の通貨に対して円の価値がどうなった(安くなったのか高くなったのか)」という風に考えると分かりやすいかもですね。